「逆転しても吉田麻也選手を中心に浮足立つことはなく、ゲームをうまく終わらせる技を身につけ、抜かりなくやりぬきました。ベテランの存在と経験が大きく、若手とうまく融合しましたね」
日本も世界の強豪と並ぶ試合巧者へと、さらに成長すると期待を寄せる。
さらに、奥寺さんは、個々の選手の能力と対応力が試合が進むごとに研ぎ澄まされているという。
とくに堂安律選手については、「スペイン戦でのゴールはキーパーが堂安のシュートが右に来ると先読みをして少し動いたんです。堂安はそれを見逃さず左にシュートした。キーパーは逆をつかれスピードもあるから止められないですね」。
ドイツ戦でも堂安が同点ゴールを決めることができたのは、ポジショニングがよかったからだ。
「点を取る選手というのは、ゴールへの嗅覚が鋭くなり、立て続けにゴールを決めることができるんです。つまり堂安は“持っている”んです」
三笘薫選手については攻撃面だけでなく守備の能力も別格という。日本代表の選手は試合ごとにしっかり修正し、確実に成長しているとも。
「選手はみんなとても器用です。システムや戦略の変更を難なくこなす。その上で結果を残す、素晴らしいですね。これは奇跡ではなく、実力の証しで、日本サッカー界の新たな幕開けです」
※週刊朝日 2022年12月16日号