検討会議の提言でも、「入試改革に過度に期待することは適切ではないが、高等学校以下の教育に望ましい影響やメッセージを与え得る大学入学者選抜に改善することは重要である」と述べられています。過去に遡れば、共通1次試験が設けられた背景には、大学が受験生を選別するために、いわゆる難問・奇問が出題され、高校の授業に悪影響を与えていたという現実がありました。

 共通テストの「授業改善のメッセージ」とは「出題した問題のような授業をしてください」と押しつけるものではありません。多くの高校の先生方は学習指導要領に基づいて、授業改善に取り組もうとされていると思います。共通テストでは、そうした授業を通して培われた力を適切に評価できるよう、学習の過程を意識した出題を工夫することで、先生方をエンカレッジしたいと考えています。

──来年の共通テストに向けて受験生はどのような勉強をしたらいいでしょうか。

小野:共通テストでは、各教科の本質的な力を測ることを大事にしています。一日一日の授業を大切にする中で、特別な試験対策ではなく、教科の本質を追究する学習をしていれば、しっかり対応できると思います。

(構成/編集部・石田かおる)

AERA 2021年7月26日号

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