

西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「麻雀と手術の共通点」。
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【直観力】ポイント
(1)昔は麻雀をよくやって、膨大な時間を費やした
(2)麻雀の強さと手術の腕のよさには、つながりがある
(3)麻雀で記憶力と先を読む直観力を養い、役に立った
前号で書いたように私は医学部への進学試験に失敗して、1年浪人しました。そのせいか、医学部に入ってからは、自由を謳歌(おうか)しました。講義が終わって、空手部の稽古をすますと、酒と麻雀(マージャン)です。酒は行きつけのトリスバーか、おでん屋さん。麻雀は大学の近くにあった2軒の雀荘です。
久しぶりに会った医学部時代の友人が「お前は麻雀が強かったなあ」というのです。友人との思い出がまず麻雀というのもどうかと思いますが、学校でより、雀荘で顔を合わすことのほうが多かったのですから、しかたがありません(笑)。
この麻雀生活は医師になってからも続きました。医師2年目に、乳飲み子をかかえて一家3人で静岡県の共立蒲原総合病院に赴任したのですが、そこの医局には麻雀卓があり、夜になると、それはにぎやかなものでした。
これは、病院にとっても悪くなかったのです。夜間に常に4人の医師が雀卓を囲んでいるので、救急の患者が運び込まれたときには、「よし」と出動して、当直の医師の手助けができるのです。まあ、近くの独身寮に場所を移して“徹夜麻雀”ということもしょっちゅうでしたが。よく、そういう生活を当時の妻が許してくれたと思います。
ただ、その頃のわが家の家電製品は、私の麻雀の勝ちでそろえていきましたから、それが埋め合わせになっていたかもしれません。麻雀ではたいてい勝って、毎月黒字だったのです。でも、麻雀というのは4人のうち、必ず誰かが不幸になります。その不条理が気になり出して、競馬に鞍替(くらが)えしました。それから40年以上やっていません。