■外に部屋を借り家庭内感染防止
例えばこんな内容だ。「家庭内感染を避けるため」と説明し、マンスリーマンションを借りた夫が、その部屋で堂々と不倫をしていたという。
「受験を控える息子と高齢の両親が同居していたので、夫の提案を受け入れたら、まさか夫は不倫相手と暮らしていたというんです。用事があって夫の部屋に立ち寄ったら、インターホンに出たのは女性だったため発覚しました」(岡野さん)
『夫の不倫がどうしても許せない女たち』など不倫関連の著書も多い亀山早苗さんは、コロナ禍で不倫する女性が増えていると実感していたという。
「家族とずっと一緒で煮詰まってしまった既婚者と、一人暮らしでステイホームが続き、人恋しさが募る不倫相手の利害が一致したのかもしれませんね。在宅勤務では急に出社の必要が生じることもあり、とっぴな外出も疑われにくいということもあるでしょう。取材していても、新型コロナになってからマッチングアプリを始めたという女性はかなりたくさんいますね」
亀山さんが出会った40代の女性は、こんな体験を話してくれたという。
自分はこれまでどおりシフト制のパート勤めなのに、夫は自宅でテレワーク。自分が働いている間に、夫と娘が楽しそうに話している。そんなモヤモヤを抱えていたときに、友人からマッチングアプリを紹介されたのだ。
仕事のため留守番となった自分を除き、家族が長期休暇で旅行に出かけた日、初めてアプリに登録し、そこで知り合った既婚男性と1カ月後に会うことに。ひと目で惹(ひ)かれ合い、今は恋する毎日を送っているという。
東京・渋谷のホテル街を今も定点観測しているという亀山さんは、
「コロナ禍の今でもホテル街にはたくさんの不倫のにおいがするカップルが出入りしています」
五輪期間中だからこそ人流を抑えなければならないのに、「不倫ピック」は聖火を高らかに掲げ、まさに絶賛開幕中なのだ。(本誌・鈴木裕也)
※週刊朝日 2021年8月13日号