複数の大学に取材したところ、たとえば青山学院大では、副反応による体調の悪化は、他の「体調不良」などと同じ扱いになり、「特定の理由による欠席を認める『公欠制度』は設けていません」との回答だった。学生各自の判断により無理のないスケジュールで予約することが前提であり、接種にともなう欠席は想定していないという。

 一方で、東京都立大は、「私事による欠席ではない、『出席停止』の取り扱いもできるようにしています。診断書の提出は求めていません」といった対応を検討しているといい、大学間で対応が分かれた。

■募る反感と絶望感

 冒頭の女性には弟がいる。そのワクチン接種の予約をとるため、16日朝、市から配布されたリストに掲載された対応医療機関に電話した。しかし、つながらない。夕方、ようやく電話がつながったが、すでに予約はいっぱいだった。

 市に状況を問い合わせると、「本日の接種枠は予約開始から10分で埋まりました。申しわけありませんが、明日、また病院に電話していただけないでしょうか」。

 すべての自治体ではないにせよ、予約をとるのも難しい現状は確かにある。彼女のような若者にとって、「ワクチン接種を」という呼びかけを耳にしても、反感と絶望感が募るばかりだ。

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

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