梅下直也(うめした・なおや)/1977年、横浜市生まれ。東京大学経済学部卒。2002年、三井住友銀行に入り、その後独立。21年にOniGO創業(撮影/工藤隆太郎)
梅下直也(うめした・なおや)/1977年、横浜市生まれ。東京大学経済学部卒。2002年、三井住友銀行に入り、その後独立。21年にOniGO創業(撮影/工藤隆太郎)

 仕事や家事、介護など多忙な生活を送る人や、スーパーから重い荷物を持って帰るのを負担に感じる高齢者たちにとって、宅配のニーズは高い。すでに宅配に取り組んでいるスーパーもあるが、配達時間が2~3時間の幅で設定されていることが多く、不便を感じる人もいる。ほしい時に、必要な分だけ食品を受け取れるようになれば、買いだめせずに済み、家庭の食品ロスも発生しにくくなる。

■1年後に100店展開

 OniGOは年内に、1号店の近隣に25店を出す計画だ。1年後には100店の展開を目指す。店舗ごとの商圏が狭いため、地域密着型で顧客のニーズに細かく対応していく。1号店では、地元の米穀店から仕入れたお米や、「ミシュランシェフ」が手掛ける低糖質の冷凍弁当も販売している。

 これまでに「食後にアイスクリームが食べたい」「夜食にラーメンが食べたくなった」という理由で注文した人や、自宅のパーティー中にドリンクやつまみを発注した人もいた。

 開業してまだわずかだが、「すごい、本当に10分で届いた」「ママ友に紹介する」といった声も寄せられている。梅下さんは「大事なのは、リピーターを増やすこと」と強調する。

「一度利用した人に満足してもらい、また使いたいと思っていただけるかが、このビジネスの一番大事な肝だと思っています。地域のお客様に向き合い、受け入れられるサービスを、日本全体に提供できるようになりたいです」

 OniGOは年中無休、営業時間は午前10時~午後10時。配達圏外の場合でも、アプリに住所とメールアドレスを入力しておけば、圏内に店がオープンした時に通知してもらえる。(編集部・渡辺豪)

AERA 2021年9月20日号

著者プロフィールを見る
渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

渡辺豪の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
「更年期退職」が社会問題に。快適に過ごすためのフェムテックグッズ