周辺の関評は「穏やか」「怒ったところを見たことがない」。Facebookのプロフィル写真も笑顔が印象的(撮影/東川哲也)
周辺の関評は「穏やか」「怒ったところを見たことがない」。Facebookのプロフィル写真も笑顔が印象的(撮影/東川哲也)
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 コード・フォー・ジャパン代表理事、関治之。東京都の新型コロナウイルス感染症対策サイトが、シンプルで使いやすいと話題となった。作ったのは関治之たちだった。受注からたった1日半で仕上げ、そのソースコードをオープンにしたことで、多くの自治体で迅速に活用することができた。技術を独り占めするのではなく、社会のために役立てる。デジタルの遅れが指摘される日本で、関たちの存在が希望になる。

【写真】神戸市や山口県など6自治体でデジタル化推進のアドバイザー的役割を担う

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 岡山県の最北東、鳥取との県境にある人口約1400人の西粟倉村(にしあわくらそん)。7月下旬、一般社団法人「コード・フォー・ジャパン(CfJ)」代表理事の関治之(せきはるゆき)(46)の姿は村役場にあった。

 平成の大合併を拒否し、村の森林資源を生かす「百年の森林構想」を立ち上げた西粟倉村は、地方創生の世界では「お手本」のような存在だ。起業したい若者たちを県外からも引きつけている。

 関がこの村のCIO(最高情報責任者)に任命されたのは、コロナ禍の2020年11月だった。お手本のような地域でも、高齢化などの課題からは逃げられない。テクノロジーを使った行政の効率化や、村が持っている森林関連のデータ活用、地域の将来のモビリティーや農業のあり方など課題解決の道筋をつけることが託された。

 関がファシリテーターとなった役場でのワークショップのお題は「西粟倉の情報化推進計画のあるべき姿を考える」。スピード感のある関の仕切りで、時には笑い声も起きる中、職員たちは次々付箋(ふせん)にアイデアを書いていた。

 関と一緒に活動する西粟倉むらまるごと研究所の大島奈緒子はこう話す。

「いろんな課題を抱える地域にとって効率化は必要。同時にその地域の幸せをどう満たすか。関さんはその二つの橋渡しができる。関さんには答えが見えている問題でも、まず私たちの話を聞いてくれる。地域が『ありたい姿』を一緒に織り上げる感覚なんです」

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