ひざの痛みは軟骨がすり減ることで起こると思っている人もいると思いますが、それは違います。実は膝関節を安定させる筋力の低下が根本的な原因です。筋力が低下すると膝関節への負担や、筋肉がついている腱、靱帯へのストレスが増え、それが炎症を引き起こして痛みが発生します。
■2つの筋肉を鍛えひざを守る
膝関節を守る筋肉は太ももの内側の筋肉である「内転筋(ないてんきん)」と、太ももの後ろ側にある「内側ハムストリングス」と呼ばれる筋肉です。この2つの筋肉がしっかり働いていれば、ひざに余計な負担がかからず膝関節は正しく動きます。変形性膝関節症の人は、ひざがピンと伸びずに曲がってしまったり、あるいは腰が曲がり、特徴的な歩き方をします。
膝関節は太ももの骨とすねの骨、ひざのお皿でできています。大腿骨(だいたいこつ)とすねの骨は靱帯でしっかりつながっていて、その間には半月板という軟骨が入って、力を分散・吸収するクッションの役目を果たしています。
この半月板や靱帯、筋肉の動きによって歩く、しゃがむ、正座をするといった動作がスムーズにできるのです。内側ハムストリングスは、太ももの裏側の筋肉の内側にあり、ひざを曲げたり股関節を伸ばしたりするときに使われます。
内転筋は太ももの内側の筋肉で左右の重心移動に強く関係します。
慢性的にひざが痛いなら、膝関節を守る力を高める関トレで筋力をつけることが重要です。
○ひざ:内側ハムストリングスの関トレ
1.両足を開いてイスに座り、右足首を内側に曲げる。
2.右足を内側に曲げ、右ひざが上がらないように、右のつま先だけを天井へ向かって力いっぱい持ち上げ、10秒間キープ。
3.これを3~5セット繰り返す。反対側も同様におこなう。
<注意!>力いっぱい足首を持ち上げるのがポイント。足を内側に曲げたときにひざが上がらないように注意。
○ひざ:内転筋の関トレ
1.仰向けになり顔は天井に向け、右足のつま先を内側に、親指が床につくぐらい倒す。
2.右手は横に伸ばしてひじを床につけ、10秒間、右側のお尻を浮かし続ける。
3.これを3~5セット繰り返す。反対側もおこなう。
<注意!>ひじを床にしっかりつけておこなうこと。胸が浮かないように注意。左右でやりにくさなどが違うときは、やりやすいほうから始める。