写真/小山幸佑
写真/小山幸佑
この記事の写真をすべて見る

 新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、意識しておきたいのが「巣ごもり」で失われた体力。特に関節とその周囲の筋肉の衰えは、動いたときに大きなけがの原因になってしまいます。この先に備えて「関トレ」で元気な関節と筋肉を取り戻しましょう。

【写真】肩の「関トレ」はコチラ

*  *  *

 新型コロナウイルスのワクチン接種が進みつつあります。特にシニアへの接種は優先されているので、読者の中でも2回目の接種が終わったという人もいるでしょう。この先、感染が抑えられ規制が緩和された場合、徐々に以前の生活に近づいていくはずです。これ自体は、もちろんうれしいことです。

 ただ、長い「巣ごもり」で筋力が落ちている可能性があります。自粛が解けたからといって、すぐに以前と同じように活動するのはちょっと考えもの。今まで大丈夫だった距離でも、足などの関節が痛くなったりと体に不調が出る危険性があります。無理をすると転倒するなどして、後々にも影響が残る大きなけがをするかもしれません。

■重要なのは関節を支える筋肉を鍛えること

 これまでの生活を取り戻す準備として、やっておきたいのが以前ハレやかでも紹介し、好評だった「関トレ」。これまでに整形外科で10代から90代まで、さまざまな症状を持つ人たちのリハビリを担当してきた理学療法士の笹川大瑛さんがすすめるトレーニング法です。これをコロナ禍の今、改めて説明します。笹川さんは「ひざが痛いなど慢性的な関節の痛みは、関節を守る筋力の低下が原因。だから筋力を取り戻せば痛みはなくなります」と話します。ここでは「ひざの痛み」を中心に「肩こり」についても効果的な関トレを紹介します。

 元気にコロナ後の生活を送れるよう、関節をお手入れしてください。

【「ひざの強化・痛み克服」に効果的なトレーニング】

 関節痛の中で特に多い変形性膝関節症。関節の軟骨が弾力を失ってすり減り、関節が変形する病気です。

 変形性膝関節症の症状で多いのは、歩き始めに痛む、階段を下りるときに軸足が痛む、立ち上がるときに痛むの3つ。

次のページ
ひざの強化・痛み克服に大切な筋肉は2つ