そのあたりの“空気を読む”ことに関しては芸人という仕事がこの上なく役立ってますし、さらには僕らのこれまでもプラスにはなっているなと感じます。
ありがたいことに“あるある探検隊”で少しは知ってもらえて、そしてキャラクターとして攻撃的な存在ではないということも知ってもらえている。そういったこれまでの蓄積も今の活動に間違いなく加味されていますし、どこまでも無駄がないもんなんだなと。
もちろん、目指すことは利用者さんに楽しんでもらうことなんですけど、僕らも報われるというか、救われるというか。そんな部分も感じています。
正直ね、今が一番楽しいと思います。二人そろって、きちんと仕事に向き合えてるなと感じています。
コロナ禍で仕事も減ってますし、それこそ“あるある探検隊”でたくさん番組にも出してもらっていた時はリアルな話、今よりお金もあって、それはそれで楽しい部分もありましたけど(笑)、今ほど仕事を楽しめていたかと思うと、その余裕が二人ともなかったと思うんです。
今はその頃みたいにテレビの仕事もないですけど、自分らの強みを生かして少しでも喜んでいただくためには何をしたらいいのか。そこを感じながら、一つ一つ本当にありがたくお仕事をさせてもらっています。
松本:あと、これは僕らみたいなもんが本当におこがましいんですけど、介護をアンタッチャブルな存在にしたくない。その思いはあります。
どうしても認知症という問題もありますし、もちろんスッとはいかない部分があるのも事実です。でも、こういう世界があるということ。ほんの一部かもしれないですけど、僕らみたいな存在が何かをやることで、知ってもらったり、興味を持ってもらったりする。偏見が無知から始まるならば、少なくとも無知をマシにする活動は僕らにでもできるのかなと思っているんです。
西川:介護と笑い。やればやるほどバランスが難しいと思いますけど、家族がおばあさんのちょっとした言動で笑ったりするみたいに、決して“笑いものにする”のではなく“笑ってもいい”領域もある。そこを丁寧に伝えていければなと考えています。
中西正男
50歳になった「レイザーラモン」RGが語る芸人としての未来 「替え歌“あるある”は消え行く芸です」