今年7月、「金沢プライドパレード2021」などの概要について会見し、説明する金沢レインボープライドのメンバー(c)朝日新聞社
今年7月、「金沢プライドパレード2021」などの概要について会見し、説明する金沢レインボープライドのメンバー(c)朝日新聞社

 私も今回いくつかのシンポジウムなどに登壇しましたが、この動きを一度きりではなく持続的なものにしていこうという熱気を感じました。10月10日には、金沢の中心部で北陸初のプライドパレードが行われます。古都×SDGsという新たなブランドイメージのもとで、多様性を大切にする街づくりが進めば、若い世代にとっても魅力のある街になるのではないかと思います。

 今回、金沢のさまざまな人と話しましたが「LGBTQの人々にとって暮らしやすい街になれば、人口の半分を占める女性にとっても、旧来の家父長制的な価値観で決められた女性の役割から解放される契機になるかもしれない」と期待する声がありました。共働きが多く家族の結びつきが強い北陸の風土は、女性にとって必ずしも生きやすい土地柄ではないと知ってほしい、と。多様性に開かれた社会作りは一部の人の利益のためではなく、そこで生きる人たち全体を豊かにするものなのだと改めて思います。

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(日経BP社)が発売中

AERA 2021年10月11日号

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小島慶子

小島慶子

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。共著『足をどかしてくれませんか。』が発売中

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