(写真:OKAN提供)
(写真:OKAN提供)

■生活に直結する補助を

「いつ使うか、何を食べるか、どのように誰と楽しい時間を過ごすか、自由度が高いサービス。従業員に改めて感謝を伝える機会は少ないなか、経営側の思いを伝えるいい媒体になってくれたと思います」

 と代表の菅原由美さん。

 コロナ禍で家計が厳しくなり、福利厚生の中でも特に生活に直結する補助のニーズが増したとエデンレッドジャパンは見ている。同社が昨年、全国の20~40代の働く男女600人を対象に行った調査では、仕事中のランチタイムに食べたいものを食べられていない人は約5割。その4割以上が「お金がかかるから」と回答したという。一般的に、節約でまず思いつくのが食費だ。代表取締役のマリック・ルマーヌさんはこう語る。

「ちゃんとした食事をしないとちゃんとした仕事はできません。デスクに座ったまま5分で食事を済ませるのではなく、歩いて外食に出る、1時間しっかりリフレッシュする、同僚とコミュニケーションする、そういう食習慣をチケットレストランを通じて提供したいのです」

 そのためには「個人に任せるのでなく企業や政府が支援するべき」と強調する。だが、日本では食事補助の非課税枠が30年間変わっていないこともあり、企業が導入に消極的な面もある。

「食事補助はヨーロッパでは社会保障の制度として確立しています。物価や平均給与の変動に合わせて毎年、額が決められます」(ルマーヌさん)

 食事補助の充実は当然、飲食業界の支援にもなる。生産性が向上すれば、経済の活性化にもつながる。いまこそ「食事」を見直すべきだ。(編集部・高橋有紀)

AERA 2021年10月25日号

暮らしとモノ班 for promotion
台風シーズン目前、水害・地震など天災に備えよう!仮設・簡易トイレのおすすめ14選