ウマヅラハギ(WEB魚図鑑)

 他に肝を食べる魚としては、あん肝で有名なアンコウがあります。

 深海にじっとして餌をとるアンコウの肝はカワハギよりも大きく、体重の40%程度にもなると言われています。本家のフォアグラと同じく、茹でてあん肝として食べることが多いですが、青森県などには、カワハギと同じく、肝と身を和えた「友和え」という調理法もあるとのことです。以前このコラムでも書きましたが、アカエイの肝も、うまく調理するととても美味しいとのことです。

 ちなみに、カワハギという名前は、「皮を簡単にはがすことができる」というところから来ています。

 筆者は、魚をさばくときに最も苦手なのが、皮をひく(はぐ)工程ですが、カワハギの皮は非常に硬いので、簡単に手で引きはがすことができます。

 個人的には、皮をはいだカワハギの見た目は、「進撃の巨人」の一巻の表紙の巨人に似ていると思うんですが、皆さんはそう思いませんか?

 カワハギの皮の表面はザラザラしており、乾燥させると、サメの皮のようにワサビをおろすことができるとも言われています。

 カワハギの仲間に、ウマヅラハギやウスバハギがいます。どちらも日本近海にも多く生息しています。ウマヅラハギは、その名の通り、馬のように長い顔をしていて、ウスバハギは、広葉樹の葉っぱのように平べったい形をしているので、「薄葉」ハギと名付けられたとのことです。どちらもカワハギですので、身も肝もカワハギと同様、美味しい魚です。

ウスバハギ(WEB魚図鑑)

 くら寿司でも、時期によって、カワハギの仲間のウスバハギのお寿司を販売しています。結構レアなネタになりますので、もし見つけたらぜひチャレンジしてみてください。

○岡本浩之
おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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