■植木恭世さん(40)/「絵本のある親子のまなびや」主宰

植木恭世さん(40)/「絵本のある親子のまなびや」主宰
植木恭世さん(40)/「絵本のある親子のまなびや」主宰

絵本は大人こそ読んでほしい

「つまんなーい」「ヒマだー」と簡単にいう人がいます。それは子どもも大人も。『つまんない つまんない』は、いつだって自分の頭を動かしていれば、「つまんない」ことなんてないんだ、と気づかされる絵本。『まほうの夏』は、ゲームなんてなくたって、こんなにもワクワクすることがあふれていた!と思い出させてくれます。ほかの3冊も、「愛」や「師」など人生の奥深さを教えてくれます。

 私はよく本をプレゼントしたり、してもらったりするのですが、そうすることで、その本とその人がセットになって記憶にとどまります。絵本はプレゼントにもピッタリ。ここにオススメした絵本は、どれも大人にこそ読んでもらいたいです。

私の両極本(AERA11月8号から)
私の両極本(AERA11月8号から)

【私の両極本】

超現代っ子的絵本 『つまんない つまんない』ヨシタケシンスケ著/白泉社

昭和感絵本 『まほうの夏』藤原一枝・はたこうしろう作、はたこうしろう絵/岩崎書店

『おおきな木』シェル・シルヴァスタイン著、村上春樹訳/あすなろ書房 『てん』ピーター・レイノルズ著、谷川俊太郎訳/あすなろ書房 『漂流物』デイヴィッド・ウィーズナー著/BL出版

■高橋有紀(40)/本誌記者

頑張れる日も頑張らない日も

両極本は、頑張れる日・頑張らない日、それぞれの方向にパワーをくれます。生物学系の本は「僕らはみんな生きている」みたいなことを思い出させてくれる大事な存在。

【私の両極本】

よし頑張るぞ 『マイ・ストーリー』ミシェル・オバマ著/集英社

もう頑張らない 『はたらかないで、たらふく食べたい』栗原康著/ちくま文庫

『愛しのオクトパス──海の賢者が誘う意識と生命の神秘の世界』サイ・モンゴメリー著/亜紀書房 『生態学者の目のツケドコロ──生きものと環境の関係を、一歩引いたところから考えてみた』伊勢武史著/ベレ出版 『聖なるズー』濱野ちひろ著/集英社

■藤井直樹 (43)/本誌記者

自分の現在地教えてくれる

どんなジャンルであれ、書き手の個人的かつ切実な思いが詰まっている本を読むことが好きです。そんな本との無言の対話は、自分の現在地を教えてくれる気がします。

【私の両極本】

世界を巨視的に見る 『ハイパーハードボイルドグルメリポート』上出遼平著/朝日新聞出版

世界を微視的に見る 『僕の種がない』鈴木おさむ著/幻冬舎

『夜が明ける』西加奈子著/新潮社 『いまだ、おしまいの地』こだま著/太田出版 『ルックバック』藤本タツキ著/集英社

※回答は書面インタビューによる。

私の両極本【左】高橋有紀(40)/本誌記者、【右】藤井直樹 (43)/本誌記者(AERA11月8号から)
私の両極本【左】高橋有紀(40)/本誌記者、【右】藤井直樹 (43)/本誌記者(AERA11月8号から)

(編集部・高橋有紀、藤井直樹、木村恵子)

AERA 2021年11月8日号

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