料理研究家の黒田民子さんが教える「家つまみでひとやすみ」。今回は「牡蠣と豆腐の味噌煮」。
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以前は牡蠣フライをよく楽しみましたが、年を重ねるにつれ、こちらの味噌煮が口に合うようになりました。
牡蠣は生食用でなくても加熱用で構いません。まず塩を振って混ぜ、流水で洗ってきれいに汚れを落としましょう。豆腐は木綿豆腐より、煮崩れしにくい焼き豆腐が合いますよ。
味噌はお好みですが私は白味噌を少し多めにし、そこに田舎味噌を合わせて作ります。白味噌を使うと甘みが加わり、まろやかな風味に仕上がるんです。いきなり2種類の味噌を鍋に入れるのではなく、あらかじめ、少しずつだしを加えて調味料と一緒に溶いておくと混ざりやすいです。
あとは鍋に材料を入れて煮込むだけ。小さな土鍋で作って、そのまま食卓に置いてアツアツを楽しむのもいいでしょう。牡蠣は火を入れすぎるとせっかくのうまみが抜け出てしまうので要注意。ふっくら煮えたら火を止めてください。寒い夜も体がぽかぽかにあたたまりますよ。
(構成/沖村かなみ)
◆牡蠣と豆腐の味噌煮
【材料】(2人分) 牡蠣200g、焼き豆腐1丁、味噌(白味噌50g、田舎味噌30g)、みりん大さじ1、砂糖小さじ1、だし150cc、太ねぎ適量、水菜適量
【作り方】(1)牡蠣は塩を振って混ぜて汚れを取り、流水で洗って水気を切る。(2)焼き豆腐は6等分に、太ねぎは4cmの長さに切る。(3)ボウルに味噌、みりん、砂糖を入れ、だしを一部加えて混ぜ合わせる。(4)(3)と残りのだしを鍋に入れ、中火にかけて豆腐を加え、煮立ったら牡蠣を加えて弱火で煮る。(5)アクを取り除き、ねぎを加えて火を止め、水菜を添えて盛り付ける。
【ワンポイントアドバイス】牡蠣は塩を振って手で混ぜて汚れと独特の臭みを取り、流水で洗い流す。調味料と味噌はあらかじめ、少しずつだしを加えて混ぜ合わせておく。
※週刊朝日 2021年12月17日号