「ふるさとチョイス」のサイト画面(トラストバンク提供)

 納税サイトの“老舗”で、全国の9割超にあたる自治体と提携、37万件の返礼品を載せている「ふるさとチョイス」の担当者が薦める返礼品の一つが、神戸市の「神戸牛と牧場見学オンラインツアー」。いわく、「おいしいお肉がもらえるだけでなく、肥育農家や加工工場といった生産現場を、動画などを通じて見学する気分が味わえる」という。

 楽天グループの「楽天ふるさと納税」が推す福井県敦賀市の「豪華海鮮福袋」は、生ズワイガニや甘えびといった魚介・海鮮品が盛りだくさん。同サイトを通じて寄付すると、通販サイト「楽天市場」などで使える「楽天ポイント」が最大30%還元される。楽天会員なら、納税のために改めて会員登録する必要もない。

 家電の返礼品が充実している、と定評の「ふるなび」担当者のおすすめは、兵庫県加西市の「アラジン」ブランドのトースターや大阪府八尾市のシャープ製のドライヤーなど。いずれも人気の高級家電だ。

 JTBの「ふるぽ」や、前に触れた「JRE MALL ふるさと納税」が紹介する返礼品もユニークだ。ふるぽの「JTBふるさと納税旅行クーポン」は、寄付先の自治体への旅行代に充てられる。

 有効期間内の好きなときに使え、「年末にまとめて寄付をし、後からゆっくり旅行の時期やプランを検討することもできる」(担当者)。

 JREは、今回挙げてもらった特産品などのほかにも、甲府市や長崎県島原市と連携し、駅ホームでの列車出発の合図など「1日駅長」が体験できる返礼品がある。人数や機会は非常に限られるが、鉄道会社系ならではのレアな取り組みだ。

(週刊朝日2021年12月24日号より)

 寄付先選びのコツについて、前出の福田さんは「納税サイトは決め打ちしないほうがよい」と指南する。

「気に入った品が見つかったら、複数のサイトで比べるとよいでしょう。同じ自治体や返礼品でも、複数のサイトに掲載されていることが多いためです。ポイントの種類や還元率など、どのサイトを使えばお得か、あるいは便利かを調べ、自分に合ったサイトを通じて寄付するのがベストです」

 サービス競争に目を奪われがちだが、それぞれの「ふるさと」へ思いを馳せる機会にしたい。(本誌・池田正史)

週刊朝日  2021年12月24日号

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