ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、猫のミミくんです。
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夫と死別後、3人の子供も独立。4匹の愛猫たちと暮らす私がミミと出会ったのは6年前。
買い物の帰り道、どこからか子猫の鳴く声がする。探すと駐車場の車の下に生後2カ月足らずと思われる子猫がいて、大声で鳴いていた。
ともかく家からキャリーを持ってこよう。ここへ戻るまで30分はかかる。そのとき、この子がまだここにいたら保護しよう、と覚悟を決めた。
30分後に戻ると、子猫はまだいた。キャリーの中にフードを置き、誘い込むとあっさり保護できたので病院へ。
風邪のため子猫の右目はぐしゅぐしゅ。検便の結果、駆虫も必要だった。
先住猫がいるのでこれ以上は飼えない。治療がすんだら里親さんを探そうと思い、仮の名前をミミにしてお世話をした。
しかし予想以上に治療に時間がかかり、2カ月ほど一緒に過ごすと情も湧いた。それでもあえて里親さんを探すと、申し分のない方とのご縁があった。
譲渡当日、里親さんと譲渡誓約書を交わす段になり、どうしても譲れない気持ちがこみあげ「この子と離れられなくなってしまいました」と号泣。「ごめんなさい。譲れません。本当にごめんなさい」とひたすら頭を下げておわびし、どうにかお許しをいただいた。
当時私は56歳。ミミを「最後の子」と決めた。ミミは今年6歳。わが家の末っ子として、すくすくと育っている。残り約14年ほどあると思われる猫生への責任は重い。ミミの生きる時間は私の生きる時間でもある。
もちろん先住猫たちもいる。みんなを看取(みと)るまでは私も元気に頑張ろうと思う。その思いが私を支えてくれている。(名古屋市天白区/62歳/パート)
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※週刊朝日 2022年11月11日号