出場が注目される中森明菜(右)と松田聖子
出場が注目される中森明菜(右)と松田聖子
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 昨年大みそかのNHK紅白歌合戦(2部)の平均世帯視聴率は34.3%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で、2部制となった1989年以降で最低だった。どん底からの巻き返しは、局にとって至上命令だろう。テコ入れに“秘策”は飛び出すか。

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 10月10日、NHKは紅白歌合戦の司会者を発表した。3年連続となる俳優・大泉洋の“相方”に選ばれたのは、若者世代に人気の女優・橋本環奈。下馬評では朝ドラ「ちむどんどん」主演の黒島結菜や、2024年の大河ドラマに主演する吉高由里子が本命視されていた中の意外な人選に、芸能マスコミは「やはりNHKは今年に勝負をかけている」とみる。

「橋本の初起用は大きなサプライズの一つだった。これまでのNHKは局への貢献度を重視した人選をしてきたのに、橋本は朝ドラにも大河にも出ていない。“もしかしたら、次の朝ドラ主演が水面下で決まっているのでは?”という臆測さえ出たほど。少なくとも、今年の紅白でも思い切ったことをするぞという前アピールとしては絶好の指し手になった」(ベテラン芸能記者)

 日刊ゲンダイ芸能編集部長の米田龍也氏は、「橋本環奈の起用は序の口。もっと大きなサプライズを狙っているはず」と考える。今年デビュー40周年を迎えた“昭和の歌姫”中森明菜だ。

「中森サイドとしても記念イヤーでの復活は大きなテーマでした。8月末に個人事務所を立ち上げ、ツイッターを開設しましたが、これはちょうどNHKが次の紅白の人選をスタートする時期と重なる。現時点で前の事務所とのゴタゴタが残っているのが懸念材料ではありますが、NHKサイドとしては出演してほしい歌手の筆頭のはず。海外からの中継でもいいし、どの歌を歌っても構わないというような、“出てくれるならどんな条件でものむ”くらいの勢いで出演交渉をしているはず」(米田氏)

“明菜出場説”がまことしやかに語られるのには理由がある。今年に入って急速に盛り上がっている昭和歌謡ブームで、民放各局は手を替え品を替え、80~90年代の歌謡曲を取り上げて結果を出している。そこでは過去の音楽番組の映像が用いられるが、明菜の映像はほとんど見られない。

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