作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。

「消えもの」もいつの間にやら消えない代物に(イラスト:サヲリブラウン)
「消えもの」もいつの間にやら消えない代物に(イラスト:サヲリブラウン)
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 子どもの頃、家にあった「お茶」と言えば、煎茶、ほうじ茶、紅茶くらい。それがいまでは、コンビニエンスストアでルイボスティーやジャスミン茶、コーン茶などが買えるようになりました。

 抽出された飲料はもちろん、ティーバッグや濃縮タイプまであります。スーパーに足を運べば、アールグレイ、アッサム、オレンジペコ、など複数の紅茶がおいてあるのが常。カモミールやミントなど、ハーブティーの存在も忘れてはいけません。

 お茶、いつのまにこんなに増えたんだろう。煎茶、ほうじ茶、紅茶の次は烏龍茶でした。その先の記憶が曖昧だけれど、確かハーブティーブームがきたはず。当時は美味しいとは言い難いものもありましたが、いまは味のよいものがたくさん。お茶文化が発展したおかげです。

 バリエーションが増えたのと同時に、お茶のパッケージも大きく変わりました。子ども時代は日本茶のティーバッグは存在せず、紙やアルミの袋に100グラム以上の茶葉がそのまま入ったものばかり。いつの間にか、可愛らしいパッケージに五つくらいティーバッグが入ったものが誕生し、ちょっとしたプレゼントに使うようになったっけ。紅茶や中国茶の専門店も次から次へと誕生しましたね。

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