8月に発売されたグンゼの「ボディワイルド e-BOXER」はセミロング丈
8月に発売されたグンゼの「ボディワイルド e-BOXER」はセミロング丈

 買い替え需要が伸びるのは、新年度の節目である4月や季節の変わり目だというが、「劣化ではなく、気分を変えよう、気分を上げようという意味で新しく買い替えられる方もいます」という。

 こうした気分やオシャレの視点からは、パンツの買い替え時期についてどう考えればいいのか。メンズファッションバイヤーでファッションアドバイザーのMBさんは、中高年男性こそ下着を新しくすることへの意識を持つべきだと提案する。

「加齢によって肌のシミやシワが増え、見た目の清潔感はどうしても失われていく。若ければ肌のきれいさなどでカバーできますが、中高年は清潔なファッションで補う必要がある。ある意味、一番汚れやすいアンダーウェアにこだわることは、清潔意識を高めることにつながると思います」

 ちなみに、新しいパンツ選びの参考にとグンゼに売れ筋を尋ねると、一番人気はボクサーブリーフタイプで、パンツ着用者のうち約43%を占めるという。

「続いてシャツ生地のトランクスタイプが約28%。昔は一番多かったですが、ボクサータイプと逆転しました。適度な締めつけ感、フィット感などが近年は重視されているようです。ニット生地のトランクスと、ブリーフタイプはそれぞれ15%ほどです」

 MBさんもボクサーブリーフを穿くことが多いが、ビキニやTバックを穿くこともあるという。

「グッと締め付けられることで気合が入りますし、今日は特別なものを穿いている、という意識が気分を高めてくれます。きれいに仕立てたスーツや新しいシャツに袖を通すとシャンとした気分になるのと同じで、パンツやソックスといったインナーウェアも、時にとっておきのもの、奮発したものを選ぶことで、気分も態度も変わってきます」

 グンゼによると、近年は裾の長い“ロングボクサー”というタイプも若い世代を中心に人気を集めているという。

「運動の時などに、アウターのパンツが地肌に張りつかないという利点もあります。シニアの方にも試していただきたいですね」

 最後に、パンツを見せるのが仕事となっている人の意見も聞いてみたい。「安心してください、穿いてますよ」のフレーズで、パンツを穿いているかどうかハラハラさせる芸でおなじみのお笑い芸人、とにかく明るい安村さん。「衣装」として穿いているサーモンピンクのパンツについてこう語る。

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