とにかく明るい安村(事務所提供)
とにかく明るい安村(事務所提供)

 中年以降の男のパンツを特集しよう……ある日、本誌編集会議にこんな企画が提案された。だが、一人がつぶやいた「そもそも、パンツっていつ新品に替えるべき?」という疑問に誰も答えられず、ならばと、パンツ交換時期の「正解」について、大真面目に挑むこととなった。

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 最も肌に近く、あたたかく包み込んでくれるやさしい存在、パンツ。

 しかし、多くの男性にとって、そんなパンツの扱いは加齢とともに変わっていく。あくまで個人差はあるだろうが、「勝負パンツ」を意識する機会はめっきり減り、「見えないところのオシャレ」という感覚も薄らぐ。ゴム部分のブランドロゴを「見せる」ファッションをすることもなくなる。

 だが、何が起こるか予測もつかないのが人生。急に体調を崩し、病院にかつぎこまれた際、ボロボロのパンツで恥ずかしい思いをするかもしれない。いったいパンツはいつ新調するべきなのか。パンツの買い替えに適切な基準、正解はあるのか。国内トップクラスの肌着メーカー、グンゼを訪れた。

「綿など天然系素材の肌着については、着用や洗濯を繰り返すことで短い繊維が脱落、また、糸自体が細くなったりすることで劣化し、どうしても肌ざわりが悪くなっていくという特徴があります」

 と、インナーウエア事業本部メンズ&キッズMD部マネージャーの武安秀俊さん。

「綿の繊維が痩せ細ることで汗を吸う能力が低下したり、湿気を吸って外に出す力が弱くなって蒸れやすくなったりと、機能が低下する着用・洗濯回数の基準は、過去からの研究によると約80回が目安となります」

 週に1、2回同じものを着用するとして、

「おおむね1年に相当すると思います」

 綿だけでなく、近年は高機能の合成繊維の下着も増えてきている。

「多くはポリウレタン素材が入っていますが、これらは繊維が痩せ細ることはありませんので、綿肌着のような具体的な目安の期間は個人の感覚によって異なります。ただ、伸び縮みを繰り返すことでやはり劣化はしますので、快適な着用感を目安として考えていただければと思います」

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