翠式カリー炒飯(中国料理 翠)/皿の中のすべてが、カレーを引き立てる。クミンとパセリが香る薄味のチャーハン、ネギ油をまとったチンゲン菜、口直し用の生姜の千切り、サクふわの蒸し揚げパン。半熟の目玉焼きを追加すれば、さらにまろやかに。(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)
翠式カリー炒飯(中国料理 翠)/皿の中のすべてが、カレーを引き立てる。クミンとパセリが香る薄味のチャーハン、ネギ油をまとったチンゲン菜、口直し用の生姜の千切り、サクふわの蒸し揚げパン。半熟の目玉焼きを追加すれば、さらにまろやかに。(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)
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 カレーは寛容だ。あらゆる食材や調味料を受け入れ、スパイスの力でおいしい一皿に昇華する。そんなダイバーシティーの最先端を行くカレー界の象徴が、「中華風カレー」である。羊肉と合わせたり火鍋に入れたり、もとより香辛料文化のある中華料理と、インドのカレー。出会うべくして出会い、生まれた傑作が、ここに。※価格はすべて税込み

【写真】俳優の加賀まりこさんも「思い出の味」と語るカレーライスはこちら

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■マーリー麺(麻婆カリー麺 マーリー軒)900円 ※焼きトマトトッピングは100円、ターメリックライス(小)は50円

ひとさじふくむと、数々のスパイスや調味料の風味が同時に炸裂。混乱に陥りながらも、次第にスプーンが止まらなくなる。「毎日食べたい」と話す常連もいるが、店長の後藤一機さんは「クセの強い味なのに。きっと変態ですね」と笑う。「週に一度、ガッツが欲しいときに食べに来て」(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)
ひとさじふくむと、数々のスパイスや調味料の風味が同時に炸裂。混乱に陥りながらも、次第にスプーンが止まらなくなる。「毎日食べたい」と話す常連もいるが、店長の後藤一機さんは「クセの強い味なのに。きっと変態ですね」と笑う。「週に一度、ガッツが欲しいときに食べに来て」(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)

 麻婆豆腐とカレーとラーメンが大好物のオーナーが、「なんとか全部組み合わせたい!」と編み出した創作料理。

 紹興酒や豆板醤が利いた「カレーに合う麻婆」と、10種類以上のスパイスが入った「麻婆に合うキーマカレー」。そこに白湯スープを合わせ、麻(マー)とリーが調和する。味の決め手はなんと、お湯で戻したフライドオニオン。ソフト麺のようなモチモチの麺は縦に筋が入っており、あんがよく絡む。ゆがいたあとにスパイス液とあわせてサッと焼くひと手間が、食欲をそそる香りを生む。

 麻婆麺やカレーラーメンからさらに進化した、トリプルコラボ。アイデアの勝利。お見事。

クミンにフェンネル、花椒など、スパイスがずらり。あんにはカルダモンの粒がゴロゴロ入っており、噛むたびに爽やかな刺激が押し寄せる。(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)
クミンにフェンネル、花椒など、スパイスがずらり。あんにはカルダモンの粒がゴロゴロ入っており、噛むたびに爽やかな刺激が押し寄せる。(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)

東京都渋谷区東3-25-3 ライオンズプラザ恵比寿1階

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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