ゴンズイは、本州中部以南の暖かい海に生息する。ナマズに似た顔で、背びれと胸びれに毒のトゲを持つ。幼魚は「ゴンズイ玉」と呼ばれる群れをつくる。釣りにかかったゴンズイを、釣り針から外す時に刺されるケースが多く、数日間、強い痛みが続くこともある。刺されてしまった場合は40~45度のお湯につけると、痛みが和らぐ。
浅いサンゴ礁などにいることが多いオニダルマオコゼは、石や岩にそっくりな姿でエサを待ち伏せする擬態の名人だ。このため、気付かずに踏んでしまうことがある。オニダルマオコゼの背びれには鋭いトゲがあり、マリンシューズの底も貫通してしまうほど。魚類最強の猛毒を持つといわれる。ストナストキシンという成分で、ハブ毒の30倍以上とか。トゲに刺されると毒が注入され、激しい痛みが起き、死亡例もある。シュノーケリングなどで、岩場に足を着くときは要注意だ。
沖縄県環境衛生研究所によれば、応急処置として「トゲが残っていれば、目に見える大きなトゲは取り除く」「刺されてすぐであれば、傷口から毒を絞り出すことも有効」。そのうえで、速やかに病院で治療を受ける必要がある。
ウミヘビは、コブラの仲間で大変強力な神経毒を持つ。エラブウミヘビなど多くのウミヘビは温厚な性質なので、攻撃してくることはほとんどないのが、とにかくいたずらしないことだ。
西海氏が解説する。
「南西諸島では、ウミヘビは海中ばかりでなく岩場やテトラポットなど陸に上がって休んでいることがあります。釣りや磯遊びのときでも、不用意に岩場などの隙間に手を入れることはしないよう気をつけましょう。ほとんどの種はおとなしい性質ですが、クロガシラウミヘビのようにやや攻撃的な性格の種もいます。一般の人には見分けがつかないので、海中でウミヘビを見たら近づかないようにすることです」
もし咬まれたら、全身の倦怠感や麻痺、呼吸困難など神経毒症状が起きて、生命にかかわる。
「周りの人に助けを求め、一刻も早く病院に行くことです」(西海氏)