「やばい」の「やば」って何? 「がさ入れ」の「がさ」って何? こうした言葉は、もともとの言い方が次第に変化してきたことによって定着したと言われています。言葉のうんちくを紹介します(朝日新聞出版『みんなの漢字』から)。
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■学らん
「らん」はオランダに由来し洋服を意味する
「らん」は、洋服を意味する「ランダ」という江戸時代の隠語の略といわれています。つまり、「学らん」は学生の「ランダ」ということです。鎖国をしていたころの日本では、西洋といえばオランダのことだったので、洋服のことを「蘭服」といい、「ランダ」ともいうようになったと考えられています。
■ねた
「種」を逆さに読んだことば遊び
「話のねた」や「寿司のねた」のように「もとになるもの」の意味で用いる「ねた」は、「種」を逆さ読みにした倒語(とうご)です。ここでの「種」は、「飯の種」のように生活の糧となるものをさします。倒語は、江戸時代に流行したことば遊びの一つで、的屋が商売の核となる商品を「ねた」と読んだことから広まったといわれています。
■やばい
牢屋や看守を表す「厄場」を形容詞化した!?
「危険なこと」「不都合なこと」を意味する「やば」を形容詞化した言葉です。「やば」は、古くから的屋や盗人が使っていた隠語が一般化したもので、「やばなことをしでかす」のように用いられました。「厄場(やば)」と書いて、牢屋や看守を表したともいわれています。現在では、「あぶない」というマイナスの意味だけでなく、「最高である」「すごくいい」というプラスの意味でも用いられるようになりました。