■ぼる
法律名に用いられた「暴利」を動詞化

第一次世界大戦後の物価高騰を受けて、1917(大正6)年に「暴利取締令」が公布されました。この「暴利」を動詞化し、「法外な料金をとること」「不当な利益をむさぼること」を「ぼる」というようになったのです。同様に「ぼったくる」は、「暴利」を「ひったくる」に由来するという説があります。

■がさ入れ
「さがす」の「さが」を逆さにした言葉

家宅捜索を意味する言葉として、テレビドラマなどでよく耳にするでしょう。「がさ」は「さがす」の「さが」を逆さにした倒語で、もともとは的屋などが使っていた隠語だといいます。また、「がさ」だけでも家宅捜索の意味で用いられます。

■ずぼら
怠けた坊主のことをさす「ずぼう」に由来

「坊主」を逆さにした「ずぼう」が変化した言葉だといわれています。かつて、修行をせずに怠けている坊主のことを「ずぼう」と呼びました。そこから、なすべきことをしなかったりしてだらしのないことを「ずぼら」というようになったと考えられています。ほかに、「凹凸や変化がなく、のっぺりしている」という意味の「ずんべらぼう」「ずべらぼう」などが変化した言葉だとする説もあります。

監修/久保裕之(立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所)
文/美和企画
※『みんなの漢字』2018年7月号から