京都国際は今春の選抜にも選出されていたが、部内での新型コロナ集団感染が判明し、出場を辞退。そんな苦い記憶を払拭して夏に戻ってきただけに、森下にとっては悔いの残る大会となったかもしれない。

九州国際大付・黒田義信
九州国際大付・黒田義信

 打者編に移ろう。安倍さんのイチオシは九州国際大付(福岡)の黒田義信(3年)。

「強烈なインパクト音で放たれるライナー系の打球は見ものです。俊足で外野の守備も一級品。走攻守で穴がない」

 同様にライナー系の打球で魅了するのは天理(奈良)の戸井零士(3年)。奈良大会決勝では、万全な状態で戦えなかった対戦相手への配慮から、控えめに喜ぶよう味方に声をかけるなど、主将としての振る舞いも評判だ。

天理・戸井零士
天理・戸井零士

触れないわけにいかないのは高松商(香川)の浅野翔吾(3年)だろう。香川大会決勝で豪快な本塁打を放つなど、高校通算64本塁打のスラッガーだ。昨夏の甲子園でも、優勝した智弁和歌山の中西聖輝(現・青山学院大)から本塁打を放っている。

高松商・浅野翔吾
高松商・浅野翔吾

「170センチと小柄ですが、打席に立つと10センチは大きく見える。フルスイングでも体勢が崩れない体幹の強さがあり、投球コースに逆らわずに打球を遠くに飛ばせる。身長に対して86キロと堂々たる体格ながら足も速い。オールマイティーな選手です」

 続いて挙げてもらったのも昨夏の甲子園で本塁打を放った横浜の緒方漣(2年)。ただ、その一番の魅力は打撃ではなく、遊撃手としての守備だという。

横浜・緒方漣
横浜・緒方漣

「軽やかなフィールディングで、球に対する当たりが柔らかい。送球が荒れることもなく、守備を見ているだけで楽しい選手です」

 さらに守備位置にも注目したいと安倍さんは続ける。

「試合終盤にもなれば内野の土は荒れていることが多く、イレギュラーも起きやすい。それを見越してか、終盤には定位置よりずっと前で守っている。クレバーな守備も見逃せません」

 大トリは大阪桐蔭の捕手・松尾汐恩(3年)。中学時代は遊撃手だったが、高校入学後に捕手に転向。それでも大阪桐蔭のレギュラーをつかんで離さない。捕手出身の安倍さんは松尾を「捕手としてはニュータイプ」と話す。

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