近江・山田陽翔
近江・山田陽翔
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 うなりをあげてミットに吸い込まれる豪速球に豪快なフルスイング、快音を響かせ伸びる打球に華麗な守備……。

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 8月6日に開幕した第104回全国高校野球選手権大会では、早くも熱戦が繰り広げられている。大阪桐蔭が3度目の春夏連覇を果たすのか。智弁和歌山の連覇か、それとも――。優勝の行方も気になるが、選手個人の活躍に心躍らせる高校野球ファンも多いだろう。この夏もまた、全国から逸材が集まった。

「流しのブルペンキャッチャー」として全国各地のアマチュア選手の取材を続けるスポーツライターの安倍昌彦さんに、“見逃し厳禁”の選手を挙げてもらった。

 投手の注目は今春の選抜を準優勝した近江(滋賀)の山田陽翔(3年)。気迫を込めて表情豊かに投げる。

「命を懸けて投げているかのように鬼気迫る姿、『俺が投げずに誰が投げる』と言わんばかりの姿勢は、まさにエース」

 山田の一番の武器は「ベースの上を通過するときに一番強い」直球を投げられること。最高球速は150キロに迫る。

「初速が一番速く、ミット到達までにおじぎしてしまう直球ではなく、初速と終速が変わらない。打者の目の前に来たタイミングに一番球威が上がるんです」

 今年の近江は「山田のチーム」。いかに山田の投球数を管理しながら戦うかが、県勢初優勝へのカギとなるだろう。

 近江とは対照的に、豊富な投手陣を擁して有利に大会を進められそうなのは大阪桐蔭だ。川原嗣貴、別所孝亮(ともに3年)と好投手が控えるなか、安倍さんが「できないことがない」と絶賛するのが、左腕・前田悠伍(2年)だ。

「投球の質の高さはもちろんだが、クイック、牽制、フィールディングと何でもできるオールラウンダー。野球センスの塊」

 大阪桐蔭の投手陣は、川原、別所、前田に、南恒誠、小林丈太を加えた5人で大阪大会の7試合54イニングをわずか1失点。強力で盤石な投手陣で頂点まで一気に駆け上がるか。

大阪桐蔭・前田悠伍
大阪桐蔭・前田悠伍
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