元日本代表の内田篤人氏を起用した番組などはわかりやすいと評判。またサッカー番組も「やべっちスタジアム」のように地上波の番組がDAZNへ移行、リニューアルして放送を継続したものも好評を得ている。一方でUEFAチャンピオンズリーグの放映から撤退するなど海外サッカーのコンテンツは減少している。

 また今後は、サッカーと並ぶ人気スポーツである野球ファンの取り込みも重要となってくるが見通しは決して明るくはない。

「NPBとの一括契約がうまく進まないことも苦戦している理由の一つです。巨人と契約した時には一気に進むと思いましたが地方球団と地元メディアとのパイプは太い。特に人気のある広島と契約できないのが大きい。Jリーグと同じように一括契約してレギュラーシーズンから日本シリーズまでの全試合を配信できないとうまみがない」(野球関連スポーツライター)

 巨人とは19年に契約を結び20年からさらに5年契約を延長。グループ内にテレビ局がある巨人との契約はNPB一括契約へ向けての布石と思われた。しかし地元テレビ局と強固な関係を築く広島の本拠地戦は見ることができない。

「本来ならJリーグのようにNPBと一括契約したいはず。理想はその先、高校野球などアマチュア球界まで巻き込みたいのでしょうが現実的には厳しい。高校野球はNHKなども絡みますからね。野球界は長い歴史があるのでしがらみも多い。 Jリーグは創設以来、多くの部分でプロ野球を反面教師にして臨機応変に経営している。DAZNが野球界との交渉に苦労している理由もわかります」(サッカー関連スポーツライター)

「DAZNが正念場なのは間違いない。サッカーファンだけでは加入者数の限界が見えている。“国技”とも言える野球がカギを握る。年齢層が高く地上波観戦に慣れた野球ファンをどうやって取り込んでいくのか。値上げした金額に見合ったサービスを提供して納得させる必要がある。それができなければ最悪、将来的な撤退という選択肢もありえるのではないか」(大手広告代理店関係者)

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今後も議論となりそうな「スポーツ中継」の在り方