ノルディック複合個人ノーマルヒルの渡部暁斗(33)は、5大会連続で五輪に出場する日本の不動のエース。ソチ、平昌と2大会連続銀で「北京大会では金メダルを取りたい」と公言する。今季W杯ではここまで最高5位と振るわないが、岩瀬氏は「合わせ方をわかっている選手。W杯は不振だが、体力を温存し本番にピークを合わせているのでは。銀以上を狙える可能性がある。ジャンプでどれだけ稼げるかがカギ」という。

 スノーボード男子ハーフパイプも有力なメダル候補が目白押しだ。ソチ、平昌と2大会連続銀の平野歩夢(23)が調子を上げてきた。昨年12月に米国コロラド州であったプロ大会で、世界初の大技「トリプルコーク1440」(縦3回転、横4回転)を着地。北京で頂点を狙う実力をはっきりと滑りで示した。昨季無敗で世界選手権を制した戸塚優斗(20)、20年ユース五輪金の平野流佳(19)の日本勢3強に立ちはだかるのは、五輪で金メダル三つを獲得しているスーパースター、ショーン・ホワイト(米国)だ。

「ホワイトは本番に強い。35歳で往年の爆発力、俊敏さは若干弱まったが、完成度の高い熟練の技で、ここ一番での盛り上げ方もうまい。彼に日本勢がどこまで肉薄できるかが焦点です」(岩瀬氏)

ロコ・ソラーレ(代表撮影)
ロコ・ソラーレ(代表撮影)

 最後に紹介するのはカーリング。平昌銅のロコ・ソラーレが2大会連続で出場する。平昌では和気あいあいとプレーする様子が大人気に。「そだねー」が流行語となり、休憩時間にお菓子を食べる「もぐもぐタイム」も注目された。初戦で平昌金・世界ランク1位のスウェーデンと当たるが、ここで勢いをつけられるかが上位進出のカギだ。

(週刊朝日2022年2月11日号より)
(週刊朝日2022年2月11日号より)

 話を聞いた橋本氏以下4人の意見が一致したのは、今回の日本選手団は冬季五輪史上最多だった平昌の13個を上回るメダルを獲得する実力を持つ最強チームであること。北京との時差は1時間。夕方以降に決勝が行われる種目も多い。ビール片手に、あるいはカーリング娘のようにモグモグとお菓子を食べながら、テレビ観戦で日本勢を応援しよう。頑張れ、ニッポン!(本誌・村上新太郎)

(週刊朝日2022年2月11日号より)
(週刊朝日2022年2月11日号より)

週刊朝日  2022年2月11日号

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