いよいよ2022年年金大改正が始まる。さまざまな改正と自分がどう関係するのかを確認するためにも、まずは自分の年金の現状を把握しておくことが大切だ。毎年、自宅に送られてくる「ねんきん定期便」がその材料を提供してくれる。どこを、どう見ればいいのか──。
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図(【1】の欄)をご覧いただきたい。50歳以上に送られる今年度の「ねんきん定期便」に掲載されている「年金繰り下げ」のイメージ図だ。
年金繰り下げは、65歳から始まる年金受給を遅らせることで年金額を増やせる制度。1カ月遅らせるごとに0.7%年金が増える。70歳まで最長5年間遅らせることができ、その場合は42%(0.7%×12カ月×5年)も年金額が増える計算だ。
イメージ図はその増える様子を「見える化」したものだ。70歳の棒は当然、65歳の棒より高い。そして、それぞれに具体的な金額が印字されている。
そんなイメージ図に2022年度からは、もう1本、棒が増える。日本年金機構広報室によると、70歳の右隣に「75歳」が追加されるという。
年金繰り下げが可能な上限年齢が22年4月から、70歳から75歳に引き上げられることに伴う措置。75歳の棒は70歳の棒より、さらに高くなる。そして、そこにも増えた年金額の具体的な数字が印字される見込みだ。70歳以降も増額率(月0.7%)は変わらないから、75歳での増額幅は実に84%増(0.7%×12カ月×10年)になる。
仮に老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせて、65歳時に年間200万円の年金がもらえる人がいたとしよう。その場合のイメージ図は3本の棒の上に、
「2,000,000円」
「2,840,000円」
「3,680,000円」
の数字が並ぶのだ。
いよいよ22年度から年金大改正が始まる。繰り下げの上限年齢引き上げは、主要改正の一つにすぎない。改正によって自分に何ができるようになるのか、その中身は何なのかはぜひ情報収集して知識を確実なものにしてほしい。