さらにいま、日本中の人たちが、将来への不安や、やり場のない怒りを抱え、また、出口の見えないトンネルを走り続けてきたことによる疲労がピークに達し、自律神経がとても乱れやすい状態になっていると思います。
そんな頑張ってきた皆さんに、どんなときに自律神経が乱れるのか、どんなことに気をつけて生活を送れば自律神経が整っていくのかを解説していきます。
■乱れやすいタイミング
自律神経が乱れやすいタイミング、というのは、いくつかの観点から指摘することができます。
まず、1週間の範囲なら、何曜日がいちばん乱れやすいか想像できますか?
思いつくのは月曜日かもしれません。翌日が月曜日だから、また長い1週間が始まるのかと考えると、どうしても後ろ向きな気持ちになる方もいるでしょう。
しかし、研究から得られた結果は違いました。
実験データを分析すると、水曜日、木曜日、金曜日に自律神経のトータルパワーが下降し、土曜日になると上昇する傾向が見られたのです。その3日間のなかでは、木曜日が最低でした。
週末に近づくにつれて楽しい気分になりそうに思えるかもしれませんが、実際は疲労が蓄積している分、自律神経も乱れるのかもしれません。
1年のサイクルで考えるとどうでしょうか。四季がはっきりしている日本では、つねに季節は変化しています。変化はいつでも自律神経を乱す原因になりえますが、全体としては春先から夏にかけて、つまり寒い時期から暑くなる時期にかけてのほうが、より自律神経が乱れやすい傾向にあるようです。
あくまで仮説ですが、温暖化の傾向がはっきりしてきたなかで、冬は比較的過ごしやすくなってきているのに対し、夏は暑さや湿気が厳しくなってきていると感じます。
限度はありますが、寒くて眠れない、ということはあまりありません。基本的に眠りは体温が下がっていくことと同じですから、寒い時期との相性は悪くありません。