20日に幕を閉じた北京冬季五輪。盛り上がった競技としてスキージャンプ、スノーボード、フィギュアスケートなどが挙がるが、カーリングもその一つに数えられるだろう。
女子の日本代表として出場した「ロコ・ソラーレ」が銀メダル獲得と結果を残したこともあるが、選手たちの人間的魅力が競技中に垣間見えるというところに面白さを発見した方もいるはずだ。特に彼女たちが発する「声」には人を惹きつける力があった。
前回の平昌五輪で銅メダルを獲得した代表チームでは「そだねー」という選手たちの出身地である北海道の方言が話題となり、その年の新語・流行語大賞に。北京五輪でも「ないすー」というワードが注目を浴び、2大会連続で選手たちがリンク上で発する言葉が世間を騒がせた。
そもそも、声があれだけ聞こえるのは他のスポーツとは異なり、カーリングでは選手たちが試合中にマイクを身に着けているから。声が聞こえることでテレビの視聴者に試合中の戦術などが伝わり、より競技を楽しんでもらえるのではないかという「ファンへのサービス」として始まった文化だ(五輪では2006年のトリノから実施)。日本でカーリングがこれだけ盛り上がった要因にもなっている「選手の声」をとらえるマイク着用は、テレビ局の当初の狙い通り競技の面白さを伝えることに繋がっているのは間違いないだろう。
だが、当然発した発言が“丸聞こえ”になってしまうことでリスクも存在する。
特にスポーツでは感情が昂ることも多く、思いがけず汚い言葉がテレビの中継に入ってしまう可能性もある。カーリングの強豪国として知られるカナダのメディア『ザ・スポーツ・ネットワーク』によると、実際に選手たちは競技中に汚い言葉を使ってしまっているようで、同国のカーリング選手として活躍するノーラン・ティーセンは「大事なショットが上手くいかない時は出てしまう時がある」と自身の経験を明かし、「他の選手もそういったことがあるはずだ」と語っている。