教育専門家 石田勝紀さん/1968年生まれ。最新刊に『子育て言い換え事典』(共著)、『子どものスマホ問題はルール決めで解決します』(ともに2月24日発売)(写真:本人提供)
教育専門家 石田勝紀さん/1968年生まれ。最新刊に『子育て言い換え事典』(共著)、『子どものスマホ問題はルール決めで解決します』(ともに2月24日発売)(写真:本人提供)


 いまの40代は、昭和的な価値観を持つ親たちに育てられた世代だ。当時は、多様なキャリアプランを描くことができず、職業選択の幅も広くはなかった。

「道が少ないため、上に進むためには勉強するしかない。自ずと学歴社会が形成されていったわけです。この時代の価値観をもとに育てられてきた人たちがいま10代の子どもを持つ親となっている。中学受験が過熱傾向にあるのも、学歴信仰から逃れられない一部の親御さんがより過激化している、という側面があると思います」

 実際、首都圏の私立・国立中学校受験生は、15年から年々増加の一途をたどる。親たちは自らスマホなどで情報収集ができるようになり、ニュースサイトで「中学受験者数が過去最多を記録」「小1から塾が満席」といった文字を連日のように目にする。そこに、周囲からの同調圧力が加わる。「これはやらなければいけないことなのではないか」と感じるようになる親たちが多いのだという。(ライター・古谷ゆう子)

AERA 2022年2月28日号より抜粋

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