「週刊朝日」でたどる日本のファッションの100年。2001年1月5-12日号の「呆然 ニッポンはこうなる。」特集内にはユニクロ崩壊を予測する記事が掲載された。その理由として、「行き渡ったユニクロのフリースを2枚買う人は少ない」「ベーシックカジュアルだから、逆に飽きるのが早い」などの専門家の見解が。ファッションデザイナーのドン小西さんが当時の流行を解説する。
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2000年代のファッションは、ユニクロなど、ファストファッションのブレークでスタート。01年のこの記事にもあるけどさ、当時はユニクロのようなベーシックカジュアルの流行は長続きしないだろうというのが大方の見方だったよね。
あたしも柳井正社長を取り上げたこの頃の回で日本の衣類文化をダメにすると怒ってたもんな。人と違う服を借金してまで手に入れた時代から一転、みんなが個性を嫌って、同じようなファストファッションを着るようになったら、あたしたちが築き上げてきたものがガラガラ崩れていく気がしてね。
あれから20年、みんなの予想は大外れだよ。あたしなんて今の季節は、上から下までユニクロのヒートテック。昔、柳井社長も言ってたけど、ファッションというより衣料品に徹したのも勝因だよな。今は食とか趣味とかライフスタイルで、いくらでも自分らしさを表現できるからね。服なんて二の次でいいってことなんだろうな。昔が懐かしくないかって? いや、ぜんぜん。終わったものはダサいもの。かっこいい老人は、振り返らずにヒートテックであったまります!
(構成/福光恵)
※週刊朝日 2022年3月4日号