北京五輪の余韻から醒めません。なかでも印象的だったのは、羽生結弦選手でした。
大会前、私たちは「彼は必ず3連覇する」と信じて疑っていなかったと思います。4回転半も完璧な着氷で決めて、金メダルを手に堂々と帰国する、そんな姿をもう目に浮かべていた。だけど彼が背負っていたものの大きさを想像できていなかったと、いまになって思います。
氷の穴にはまってしまうという想定外のことが起きたショートプログラム。金メダルを取ることになる米国のネーサン・チェン選手の言葉が心に残っています。「彼(羽生選手)が史上最も偉大な本物のフィギュアスケートアイコンであることは、これからもずっと変わりません」と。
チェン選手は最近の世界選手権を制してきました。そんな高みにある選手同士だからこそわかりあえる、成し遂げてきたことの凄さ。そして凄すぎるゆえのプレッシャー。チェン選手の言葉で、あらためて気がつきました。