今季から二刀流に挑戦する日本ハムの上原健太
今季から二刀流に挑戦する日本ハムの上原健太

 日本ハム・上原健太の二刀流挑戦。当初は「話題作りでは」という声も一部ではあったが今キャンプでは投打で非凡なものも感じさせている。大谷翔平(エンゼルス)という世界的スターに続き二刀流として活躍できる選手となれるのだろうか……。

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「賛否両論あるのは承知の上、自分と向き合い覚悟を決めました。わずかな可能性だとしても、自分自身を信じて、やってやる精神でいきたいと思います」

 上原が自身のツイッターで二刀流挑戦を表明したのが昨年11月の沖縄・国頭秋季キャンプ参加中のこと。投手登録だが本格的な打撃練習を開始したタイミングだった。シーズン中から水面下で球団側との話し合いがあったようで野手への挑戦も決定事項だったようだ。

「上原の性格から考えたら(投手と野手の)2つやったほうが良いんじゃないかと、今でも思っている。辞めるから球団には言っていきますけど来年から二刀流という枠を作ってくれと。2つやることによって生きる選手がいる」(11月1日/栗山英樹前監督の退任会見)

 指揮官としての退任会見という公の場で二刀流を推奨する発言があったのは異例のことだった。栗山前監督は上原の潜在能力を高く評価していたのだろう。「スター性があって、かっこいい。負けず嫌いそうで、力のある目が翔平(大谷)に似ている」。大谷を口説き落とし育て上げた男は入団時の上原をそう評していた。

 上原は明治大から15年のドラフト1位で日本ハムに入団。身長191cmのサウスポーで150キロを越えるストレートと、スライダー、カーブ、シュートなど多彩な変化球を操る。50m走5秒7という俊足の持ち主で、18年シーズンの交流戦では投手とは思えぬ豪快な本塁打を放ち話題となった。

「栗山前監督でなくとも夢を感じてしまう素材ではある。投手としても素晴らしいものを持っているが今のところ結果につながっていない。先発の柱として期待していたが試合中に1度崩れると止まらなくなるところがある。腕の位置を下げるなど試行錯誤しているが苦労している」(日本ハム担当記者)

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大谷とは異なる苦しい立場