◆池袋・セントポールの隣り
運動部と応援団の御用達　安くてうまくて腹いっぱい

冷しゃぶ（鶏）ごまだれとカニクリームコロッケ８７８円。珈琲も３８５円とリーズナブル　（撮影／写真部・松永卓也）
冷しゃぶ（鶏）ごまだれとカニクリームコロッケ８７８円。珈琲も３８５円とリーズナブル　（撮影／写真部・松永卓也）

　立教大学（セントポール）の隣のビル。中に一歩足を踏み入れると、壁と窓に運動部や応援団のポスターが張り巡らされていて驚かされる。

　女子アナが多く輩出するなど、おしゃれな大学のイメージとはちょっと違う！？　店長の榎本武さんが説明する。

額縁の中にある野球選手の写真の左側は、立大時代の長嶋茂雄さん　（撮影／写真部・松永卓也）
額縁の中にある野球選手の写真の左側は、立大時代の長嶋茂雄さん　（撮影／写真部・松永卓也）

「立教水泳部OBの宮坂亨さんが1978年に開店しました。宮坂さんのころは野球部に故・大沢啓二さん（通称・大沢親分）や長嶋茂雄さんらがいて、スポーツ黄金期。学生に安くてうまいものを腹いっぱい食べさせたい、と」

　学生の要望を受け、メニューも変える。写真の冷しゃぶ＆コロッケは30年以上も人気を博す。一方で最近はヘルシーブームを受け、「白いカツ丼」（カツ丼のトロロかけ）の人気も高まっている。

入り口付近には、立教大学のシンボルマークを模した店のマークが　（撮影／写真部・松永卓也）
入り口付近には、立教大学のシンボルマークを模した店のマークが　（撮影／写真部・松永卓也）

住所：東京都豊島区西池袋3－33－17　東武サンライトマンション味の十番街／営業時間：10：00～15：00L.O.／定休日：年始のみ

◆早稲田・ぷらんたん
コロナ禍の経営難を救った学生らの支援

学生たちが「山小屋みたい」と言う２階フロア。隅には本棚を設置　（撮影／写真部・松永卓也）
学生たちが「山小屋みたい」と言う２階フロア。隅には本棚を設置　（撮影／写真部・松永卓也）

　早稲田大学南門通りで70余年もの間、学生たちの語らいの場として愛されてきた。名曲「神田川」の詞はここで書かれ、「学生街の喫茶店」を歌ったガロの大野真澄さんや早大OBのタモリさんも立ち寄ったことがある。

　しかし、2020年4月に発出された緊急事態宣言で大学がオンライン授業に移行すると、売り上げが8割減った。

すべてのコーヒーが自家焙煎。店自慢のマイルドブレンドは４００円　（撮影／写真部・松永卓也）
すべてのコーヒーが自家焙煎。店自慢のマイルドブレンドは４００円　（撮影／写真部・松永卓也）

「閉店を考えるほどの大打撃でしたが、学生たちの力を借りてクラウドファンディングを立ち上げたら、田原総一朗さんら著名OBからも応援していただき、700万円超の運転資金が集まりました」と、店主の前田広喜さんは言う。

　2階フロアには支援してくれた学生やサークル、OBへ店主から感謝の意を示すペナントが多数飾られている。

学生街で少なくなった昔ながらの喫茶店。客の９５％が大学関係者　（撮影／写真部・松永卓也）
学生街で少なくなった昔ながらの喫茶店。客の９５％が大学関係者　（撮影／写真部・松永卓也）

住所：東京都新宿区戸塚町1－101－13／営業時間：12：00～18：00／定休日：日祝日

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