投手では新戦力のシンダーガード、ローレンゼンに加え、FAとなっていた守護神のライセル・イグレシアスが新たに4年契約を結び残留。ブルペン陣では昨年メッツで65試合で防御率0.95をマークした左腕アーロン・ループとの契約にも成功している。昨シーズンはア・リーグで4番目に悪かったチーム防御率(4.69)をいかに改善させるかがチームの浮沈を左右しそうだ。
大谷、トラウト、レンドンらチームの主力は他球団に見劣りせず、『CBSスポーツ』も「スター選手に怪我がなければプレーオフ進出の可能性を秘めている」と評している。昨季と同様に大谷がシーズンを通して投打で活躍することができれば、久々のプレーオフ進出の可能性も高まる。
大谷のエンゼルスの下馬評は低いが、日本人選手所属チームで高い評価を受けているのが菊池雄星がFA移籍したブルージェイズだ。今オフには菊池のほか、昨季ジャイアンツで14勝6敗、防御率2.81をマークしたケビン・ゴーズマンも獲得。2019年にドジャースで最優秀防御率を獲得した韓国人左腕の柳賢振、通算60勝の右腕ホセ・ベリオスらの先発ローテーションに2人が加わり、顔ぶれがグッと豪華になった印象を受ける。
投手陣の強化成功はもちろんだが、ブルージェイズで注目すべきはやはり破壊力抜群の強力打線。昨シーズン大谷とMVPを争ったブラディミール・ゲレーロJr.一塁手、ボー・ビシェット遊撃手の“スターコンビ”にジョージ・スプリンガー、テオスカー・ヘルナンデス両外野手など実績豊かな選手も多い。そして、今オフには昨季27本塁打の打撃に加え、メジャー屈指の守備力を誇るマット・チャップマン三塁手を獲得。昨シーズンのチーム打撃成績は打率.266(リーグ2位)、262本塁打(同1位)、816打点(同2位)、OPS.796(同1位)と軒並みトップクラスで、まだまだ伸びしろもある。
彼らの援護を受けた菊池ら先発陣が白星を重ねることができれば、レイズ、ヤンキース、レッドソックスら強豪ひしめくア・リーグ東地区でも十分勝ち抜くだけの力がある。チーム力の評価でも『MLB.com』は6位、『CBSスポーツ』は3位、『ブリーチャー・レポート』では7位と上位にランクインしている。