そのほか、昨季からダルビッシュ有が所属するパドレスは投打ともにバランスが良い。特に先発陣はダルビッシュを筆頭に2018年のサイ・ヤング左腕ブレイク・スネル、昨季11勝のジョー・マスグローブに、2017年から3年連続2桁勝利のマイク・クレビンジャーが肘の手術から復帰の見込み。リリーフでは前阪神のロベルト・スアレスが加入するなど、ブルペン強化にも成功した。
野手もフェルナンド・タティスJr.遊撃手、マニー・マチャド三塁手、エリク・ホズマー一塁手ら走攻守揃ったスーパースターたちが在籍している。昨年の統計ではメジャーで4番目に「得点の入りにくい」広い本拠地で手堅い野球を展開できれば、ナ・リーグ西地区でしのぎを削るドジャースの強力なライバルとして存在感を示しそうだ。
また、鈴木誠也が移籍したカブスは個人としての活躍は楽しみだが、チームとしては完全に再建モード。クリス・ブライアント、ハビエル・バエス、アンソニー・リゾら2016年にワールドシリーズを制した時に原動力となった主力野手は軒並みチームを去り、今季は“勝負の年”ではない。『MLB.com』の前評判でも25位となっている。
カブスと同地区で秋山翔吾がプレーするレッズは同21位、前田健太所属のツインズは同23位、筒香嘉智が所属するパイレーツは同29位とプレーオフ進出はかなり厳しい情勢。また、沢村拓一がプレーするレッドソックスは同12位評価とまずまずの戦力となっているが、レイズ、ヤンキース、ブルージェイズと同地区にライバルが多く、プレーオフ進出への道が険しいのは間違いない。
決して前評判の高くない今季の日本人所属チームだが、シーズンが明けてみないと分からない部分も多い。一人でも多くの日本人選手がプレーオフに進み、個人的な活躍とともにチームが躍進する姿を期待したい。