うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格した杉山奈津子さんも、今や小学生の男の子の母。日々子育てに奮闘する中でとり入れている心理テクニックや教育方法をお届けします。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』も絶賛発売中です。ぜひご覧ください。
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新年度に入り、受験にむかって勉強を頑張ろうと思っている人も多いことかと思います。しかし、「携帯をすぐにいじってしまう」というようなクセをもっていると、時間を浪費してしまい、そのぶんの勉強時間が減ってしまう可能性があります。
人は目標を決めて頑張ろうと思うとき、やる気を出して行動を起こすという方向にばかり、目を向けがちです。しかし、「やるべきことを頑張る」と決めたときには、同時に「やらないことを頑張る」という、引き算の方向の努力も意識すべきです。つまり、「勉強をする努力」だけでなく、「携帯をみないようにする努力」にも、注意してみましょう。そうすることにより、自分をさらにプラスの方向に進ませることができます。
■自分の感情をコントロールする力を鍛える
ダイエットでいうならば、たくさん運動をして脂肪を燃焼させるために、ジムに通うという行動に移すのが、やるべきことを頑張る努力です。しかし、ジムに通ったからといって、お菓子やケーキをたくさん食べていては、意味がありません。甘いものを食べずに我慢するというような、やらないことを頑張る努力も、ダイエットを達成するために必要な行為です。
やらないことを頑張る努力の例として、「アンガーマネジメント」が有名です。感情にまかせてすぐに怒ってしまわないよう、自分の感情をコントロールする力を鍛えるというものです。
■「対象への距離」をうまく取る
アンガーマネジメントでよく使われる方法として、「6秒ルール」というものがあります。自分の中で怒りが湧いてきたと感じたら、頭の中で、1、2、3……と、6秒数えるように決めておくのです。そうやって、怒る対象から時間的な距離をおくことで、冷静に対応できるようになります。
ほかにも、怒っている対象から物理的に距離をおき、その場から離れるという方法もあります。
やるべきことをやり、やるべきではないことをやらないためには、このような「対象への距離」が大切なポイントとなります。そこで「6秒ルール」を、自分に合わせて活用してみることをおすすめします。