2022年11月に開幕するサッカーW杯カタール大会(決勝は12月18日)。日本代表はアジア最終予選の最初の3試合で1勝2敗と苦しいスタートも、最終的にはグループBの2位(7勝1分2敗)で7大会連続の出場を決めた。アジアにおける日本の“強さ”を再認識した一方で、「今回の予選は盛り上がらなかった」との指摘は事実だろう。そして次回以降、その傾向はさらに強まり、日本が「絶対に負けられない戦い」に挑むことはなくなりそうだ。
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今回、アジアに与えられた出場枠は「4.5枠」(開催国カタールを除く)。過去、日本が“ドーハの悲劇”に泣いた1994年アメリカ大会は、出場24カ国に対してアジアは「2枠」で、日本が“ジョホールバルの歓喜””でW杯初出場を果たした1998年フランス大会は、出場32カ国でアジアは「3.5枠」、そして2002年の日韓大会から出場32カ国に対してアジア「4.5枠」という現行の形となった。それが次回の2026年の3カ国共催(アメリカ、カナダ、メキシコ)大会から、出場チームが32から48に拡大されることに合わせて、アジア枠が一気に「8枠」に増加。他の地域でも、欧州が3枠増の「16枠」、アフリカが4枠増の「9枠」、南米が1.5枠増の「6枠」、北中米カリブ海が2.5枠増の「6枠」、オセアニアが0.5枠増の「1枠」とそれぞれ拡大されたが、中国マネーを意識した中でアジアが最も優遇されたことは間違いなく、実際に全出場枠の中でアジア枠が占める割合は「7.1%」から「16.7%」へ増えることになる。
確かにアジアのサッカーレベルは上がった。日本だけでなく、イランにも欧州リーグでプレーする選手が増え、韓国のFWソン・フンミンは世界最高峰のプレミアリーグで活躍。カタールも国内リーグを発展させながら代表チームも大きく強化された。だが、イタリアやオランダといった強豪国が敗退する欧州予選の“厳しさ”を目の当たりにすれば、アジア予選の“緩さ”を認めざるを得ない。それはアジア各国のW杯本大会での成績を見ても明らかで、1998年大会以降の6大会で、アジアから出場した全25チーム中、決勝トーナメントに進出したのは5チームのみ。2014年ブラジル大会では、日本、韓国、オーストラリア、イランの4チームが1勝も挙げられず(計0勝3分9敗)で帰国。前回2018年ロシア大会では唯一、日本がベスト16進出を果たしたが、韓国、オーストラリア、イラン、サウジアラビアはいずれもグループリーグ敗退となった。