今後復活が期待できるのが履正社の前監督である岡田龍生新監督を迎えた東洋大姫路(兵庫)だ。履正社時代にはT-岡田(オリックス)、山田哲人(ヤクルト)など多くの選手をプロ野球に送り出し、2019年夏には甲子園優勝も果たしている現代の名将の1人である。就任と同時に栄養士の指導で食事面を見直し、また室内練習場も建設するなどチーム強化を着々と進めている。今年の春もセンバツに出場しているが、打線の力不足は明らかであり、その弱点強化を明言。夏までの底上げは簡単なことではないが、今後岡田監督の存在で有望な新入生が入ってくる可能性も高く、兵庫県内の盟主に返り咲く可能性は十分にあるだろう。
今年のセンバツでは大阪桐蔭(大阪)が圧倒的な強さを見せたが、過去を振り返ってみても栄枯盛衰があるのは高校野球の常である。今回挙げた学校以外にも、新時代の名監督によって復活する学校が出てくることを期待したい。(文・西尾典文)
●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。