それでも、年収や給与体系、労働環境などは、企業側に直接踏み込んで聞きづらいという人も多い。転職エージェントが入っている場合には、年収や労働環境についての交渉事は「7~8割はエージェントが間に入ってのやり取りになることが多い」(リクルートエージェント)という。直接交渉しづらい場合には、エージェントに入ってもらって交渉を進めてもいい。

「転職エージェントに依頼する大きなメリットに、落ちた場合に理由が聞ける、ということがあります。見送りの理由は、次に生かせるポイントになる。そうやって経験を重ねる中で、納得できる転職先が見つかっていくはず」(戸塚さん)

 転職活動とは、奥深い世界である。その活動実態は個々によって大きく異なり、他人の体験談が表になることはあまりない。転職における過程の話は、多くの場合、ベールに包まれているのだ。それゆえに、交渉一つとっても、個々の力量や経験が大きく問われることになる。無論、大切なのは小手先のテクニックではなく、その人自身が持つ力だ。

 あなたなら今、転職に何を求めますか?(松岡かすみ)

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