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ずっと昔から、「こういうの、やめたほうがいいんじゃないかなぁ」と考えていることがあります。それは、学校の先生が言う、「1班5人で、好きな人と組をつくりなさい」という、グループの決め方です。このセリフを言われたとき「人数からあぶれないようにしなきゃ」と焦って、周囲を見渡した経験がある人が、ほとんどなのではないでしょうか。
今年高校に入学した生徒が、新学期早々「今度、遠足があるんだ」と教えてくれました。そこでやはりというべきか、前述した先生のセリフが放たれたそうです。
「これはまた、ずいぶんと早い時期から……」というのが、私の感想です。高校に入ったばかりですから、まだそこまで親しい友人がいなくて当たり前です。そんな時期に、5人の友人とグループを組むのは(しかも奇数!)、なかなか難しいことでしょう。仲良しの子がいたとしても、その子がほかの友人と組んでしまうケースだってあり得るわけです。
■一人が好きでも、あぶれるのが平気とは限らない
この生徒の話によると、まだあまり周囲となじめていない生徒がいて、その子は誰とも組めなかったとのこと。結局、どのグループに入るかを、先生が決めたのだそうです。
これにより、クラスメートは、「あの子には、グループを組もうと言ってくれる友人がいない」という印象を持ってしまう恐れがあります。高校生という多感な時期に、このような嫌な思いをさせてしまう恐れがあることを、学校や教師はもっと考慮してほしいと思うのです。
もちろん、普段から一人でいるのが好きな生徒もいるでしょう。しかし、休み時間に一人で本などを読んでいることと、「グループ決めのときにあぶれてしまった」という結果をクラスじゅうに周知されることでは、少し違うのではないでしょうか。