デザインではケーキのトップには王冠があしらわれ、公式のプラチナ・ジュビリーの紫色のロゴも入れられている。
「クイーン・ジュビリーということを、ひと目でわかるデザインにしたかったので、シンボリックな王冠や、プラチナ・ジュビリーの紫のロゴを使いました。女王陛下はロイヤルブルーをお召しになることが多かったので、ブルーを使い、そこに女性らしいレーシーな部分があったほうがエレガントと思いまして、お砂糖のペーストを塗って、手描きで一つずつ描いています。曲線を描くことで女性のパールのアクセサリーのイメージを出したところもあります」
ザ・ペニンシュラ東京が出品したケーキは「ガトー・リリー」。
ケーキを作ったのはエグゼクティブペストリーシェフのパスカル・シャルデラさん。
名前の由来は、
「女王陛下の大英帝国王冠にあしらわれた紋章『フルール・ド・ドス』にちなみ、『ガトー・リリー』と名づけました。”リリー”という名前は、女王陛下の幼少時のニックネームである“リリベット”にちなんだものです」
今回のケーキ作りについての思いを明かす。
「エリザベス女王の即位70周年という記念すべき節目に、このようなコンテストに参加できることを光栄に思います。私自身、ロンドンの『ル・コルドン・ブルー』で指導した経験を持ち、計12年間も過ごしたイギリスでの生活の中で、イギリスの文化と料理に対する味覚と理解を深めました。イギリスでのこと、これまでの経験をもとに、試作に試作を重ねてできあがったケーキは、繊細なパイピングデコレーションやシュガーデコレーションなどを施しており、ディテールも見ていただけるとうれしいです」(シャルデラさん)
王室のウェディングケーキやセレブレーションケーキの伝統を尊重し、イギリスを代表する紅茶で、女王の好きなものとして知られるアールグレイを使用した。
「女王陛下のお好きなものとして知られるアールグレイを研究し、アールグレイ風味のフルーツケーキに、スコッチウイスキーを風味漬けしたチョコレートケーキと、特製のオレンジマーマレードを加えたチョコレートガナッシュを重ね合わせました」(同)