1998年5月、英バッキンガム宮殿で開かれたエリザベス女王主催の晩さん会を前に写真撮影に応じたエリザベス女王、天皇陛下(現、上皇さま)
1998年5月、英バッキンガム宮殿で開かれたエリザベス女王主催の晩さん会を前に写真撮影に応じたエリザベス女王、天皇陛下(現、上皇さま)
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 英国エリザベス女王(96)の即位70周年を祝う「プラチナ・ジュビリー」。イギリスでは6月5日まで記念行事が開かれている。首都ロンドンではパレードが行われ、バッキンガム宮殿の上空を航空機が飛ぶなどお祝いムード一色。一方、日本でもお祝いにちなんだ“あま~い”イベントが開かれている。

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 記念祭にケーキで祝福を贈ろうと、在日英国大使館と在大阪英国総領事館が主催する「プラチナ・ジュビリー・ケーキコンテスト」が開催されている。日本国内の五つ星ホテルのシェフたちが、プラチナ・ジュビリーにちなんだ特製ケーキを考案し、コンテストに応募した。東京と大阪から計10ホテルが参加し、5月末にその中から五つのホテルのケーキが最終審査に進んだ。この中から優勝作品が選ばれる。

 審査員は、女性初の駐日英国大使のジュリア・ロングボトム氏や大使館のエグゼクティブ・シェフら。

 ケーキに求められた条件は、まず英国にちなんだ素材を使用していること、女王にふさわしいデザインであること、そして何よりもオリジナル作品であること。

 ファイナルに選ばれた主なホテルのシェフらにケーキの特徴などについて聞いた。

 コンラッド東京では、「初夏のヴィクトリアケーキ」と題したケーキを出品。シェフの魚住美恵子さんが、エグゼクティブシェフらからアドバイスをもらいながら作り上げた。

「初夏のビクトリアケーキ」(コンラッド東京)
「初夏のビクトリアケーキ」(コンラッド東京)

「ファイナリストのシェフ5人の中で、女性は私だけだったので、『女性が作るエリザベス女王陛下へのケーキ』というオリジナリティーを出したいと思いました。デコレーションには、イギリスの国花のバラと東洋のバラといわれるアジサイをイギリス伝統のシュガークラフトで作りました。色のグラデーションは食べられる色素で陰影をつけ、食用のニスを使うことで葉っぱのみずみずしさや、つや感を表現しています」(魚住さん)

 魚住シェフがこだわったイギリスの食材はマーマレード。

「女王陛下はマーマレードがとてもお好きで、甘いものを控えてでも召し上がりたいというのを聞いておりました。今回は本県水俣産のオーガニックの甘夏を使いました。普通のオレンジよりもほろ苦いのが特徴なんです。甘夏のほろ苦さ、甘さ、酸味で、大人のビクトリアケーキに仕上げました」(同)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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