パールの中止を知ると、メーガンさんは作品の企画意図を記した文面をすぐにすべて削除した。彼女がさらに腹立たしかったのは、パールを商品キャラクターとしてブランド化するというもくろみが消えたことだ。子どもに身近な文房具をはじめ、寝具や衣服などにもパールが笑顔を見せる。世界中で人気が沸騰すれば、メーガンさんの懐にはかなりの金額が転がり込むはずだったのに……。
ネットフリックスは王子夫妻と複数年にわたる番組制作の契約を結んでいる。その額は約160億円ともされるが、希望するのは「英王室の暴露もの」といわれる。王室内で経験した裏話こそ求められているのだ。
折しも今年はエリザベス女王(96)が即位70年を迎えた。6月2~5日には「プラチナ・ジュビリー」という祝賀イベントが華やかに開催。王子一家4人は、イベントのハイライトであるバッキンガム宮殿のバルコニーに立つ機会を望んだ。
だが女王が禁止した。王室離脱とその後のインタビューや暴露本での王室批判で、夫妻に好意的ではない国民も少なくないためだ。ただ、その決定が発表されたわずか18分後に、米国在住の王子夫妻から「バルコニーに顔を出さなくても、行事には参加したい」との希望が出された。この原稿を書いている5月31日時点で結果は分からないが、何が何でも一大イベントに加わり、ロイヤルメンバーであることを強調したいようだ。(ジャーナリスト・多賀幹子)
>>後編/英王族でも米政界入りを模索するメーガン妃 矛盾の多い波瀾万丈な「メーガン劇場」
※AERA 2022年6月13日号より抜粋