エリザベス女王の即位70年を記念したイベント「プラチナ・ジュビリー」に沸く英国で、なぜか存在感を増しつつあるのがヘンリー王子夫妻。女王を差し置いて「メーガン劇場」がロングラン公演中!AERA 2022年6月13日号の記事を紹介する。
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このところメーガンさん(40)の機嫌が悪い。それはまず、ネットフリックスで制作予定だったアニメーションシリーズ「パール」がキャンセルされたからだ。この作品は12歳の少女パールが歴史上活躍した女性たちと出会い、社会の不平等と闘って自分の道を見つけるという成長物語。メーガンさんの生い立ちと重なるところもあり、自伝との触れ込みだった。
中止の理由は、ネットフリックスの登録者数が減っているからだといわれる。同社は動画配信サービスを始めて以来、世界中で驚異的な成長を見せてきた。だが今年1~3月期は会員数が過去10年で初めてマイナスに転じた。すでに20万人ほど減少したが、4~6月期はさらに200万人ほど減る見込みだ。コロナ禍の巣ごもり需要が一段落したうえに、外出規制の緩和で人々が外に出るようになったのも影響している。
中止はパールだけではなく、ほかのアニメ作品なども対象になった。メーガンさんには「タイミングが悪かった」と同情的な声が上がる一方、「あまりに進行が遅い」との意見もある。契約からすでに2年近くが経つのに、作品は何一つ出ていない。
■求められるのは暴露
伝記作家のトム・バウアー氏は「クリエーティブな分野での彼女の才能は、ごく限られたものではないか」と辛口のコメントをした。彼女が出した児童書『ザ・ベンチ』はテーマの家族愛が伝わらず、ヘンリー王子(37)がディズニーの最高経営責任者(CEO)に頼んで得たドキュメンタリー映画「エレファント」のナレーションは、力が入りすぎて上滑りだった。
バウアー氏は「今回は、そうした批判をはね返す絶好のチャンスだったのだ」と続けた。