また外国人の指揮官ということに関しては、79~80年途中にドン・ブレイザー氏が監督を務めたこともある。ブレイザー氏は南海、広島でコーチ経験があり「考える野球」でチーム強化が進む期待もあったが、選手の起用方法を巡りフロントと対立し、監督2年目となった80年シーズンの開幕間もない時期に退団した歴史がある。

「岡田彰布氏や掛布雅之氏という球団レジェンドを望む声があるが、今の阪神では大幅な改革は難しいと思う。外様では落合博満氏の待望論もあるが、68歳という年齢や体調面を心配する声がある。そうなると現実的に抜本的な改革を望むなら外国人監督も選択肢」(阪神担当記者)

「外国人監督には大きく分けて2パターンある。ボビー・バレンタイン氏(元ロッテ)のようなモチベーション喚起型。そして、トレイ・ヒルマン氏(元日本ハム)のような球団内哲学重視型です。前者は選手を気分良くプレーさせることができる。後者は球団内にある野球哲学を遵守できる。適材適所でハマれば結果につながるはず」(在米スポーツライター)

 バレンタイン氏は2度にわたりロッテの指揮を執った。最初の95年は2位と結果を残すもフロントとの確執で1年限りで退団。2度目は04~09年と6年の長期政権となり05年には日本一を成し遂げた。自らが前面に立つ実質の全権監督であったが、最終的には球団内で孤立する形となり惜しまれながらも退団した。

 ヒルマン氏は03年~07年にかけて日本ハムの監督を務めた。北海道に移転した後の06年にはチームを44年ぶりとなる日本一に導いた。指導者としてはMLBのマイナーチームで着実にステップアップし、マネージメントスキルを磨いた。トップダウンの球団内哲学を重視し、それをグラウンド上で体現できる存在としてフロントからは重宝された。

「伝統球団だけに外国人監督招聘には抵抗もあるはず。しかし球団OBの外国人に適任な人材もいる。トーマス・オマリー氏は独立リーグですが監督経験者。明るく前面に出る性格はバレンタインタイプ。またOBではヒルマンタイプのデーブ・ハンセン氏もいる。現役時代の印象は地味ですが米国では叩き上げの指導者として高評価されている」(在米スポーツライター)

次のページ 近年でプレーした助っ人にも“候補者”はいる?