オマリー氏は現役時代、91~94年に阪神に在籍して93年には首位打者を獲得。「阪神ファンは一番や」の決まり文句や、お立ち台で六甲おろしを熱唱するなどファンにも愛された。98~01年には米独立リーグのニューアーク・ベアーズ監督を務めている。また、“幻”に終わったものの、プロ野球への新規参入を表明していたライブドアの初代監督としても最有力とされていた人物だ。

 一方のハンセン氏は98年に阪神で1年間プレー。三塁の守備で17失策を記録するなど選手時代の評価は決して高くはなかった。しかしメジャーでは15年に渡ってドジャース、カブスなど4球団でプレーし、引退後はドジャース、マリナーズ、エンゼルスで7年間打撃コーチを務めるなど、指導者としての経験は十分だ。

「(候補としては)10~15年に在籍したマット・マートン氏もいる。首位打者1回、最多安打3回の優良外国人でハードなプレーでチームを牽引した姿も印象的。引退後はカブスで巡回コーチも務めフロント業務で編成にも携わったことがある。普段は温厚な理論派としても知られ指揮官としての資質もあるはず」(在米スポーツライター)

 助っ人のOBであるオマリー、ハンセン、マートンの3氏ならば米国式の改革に期待できそうな予感もする。阪神には才能豊かな選手が数多く在籍するだけに、日本人の指揮官とは“違ったアプローチ”でのチーム力アップも期待できそうだ。加えて熱狂的なファンがいる阪神では日本人の監督だと、どうしてもプレッシャーを過度に感じてしまうこともあるが、外国人監督ならその部分では上手く対応できそうでもある。

「阪神は負け続けても甲子園に足を運んでくれるファンに甘えている。どこかで大改革しないと永遠にこのままのような気もする。日本一22回の巨人に対し阪神は1回しかないことを重く受け止めるべき。勝つことが最大のファンサービスということを考えれば、勝てると踏んだのならば、外様や外国人監督もどんどん呼ぶべき」(阪神OB)

 負けても阪神ファンは応援してくれる。コロナ禍でも甲子園には多くの人が集まってくれた。それに応えるのが球団の役目であることを認識すべきだ。目先のファンサービスも重要だろうが、最大の恩返しはチームの勝利。勝つためにはできる限りのことは取り入れるべきであり、外国人監督招聘もその1つの方法かもしれない。

[AERA最新号はこちら]